医療費控除できるものできないもの(確定申告⑤)

こんにちは。
神戸の公認会計士・税理士 桑原です。

今回は、医療費控除ついて。
会社勤めのお方は年末調整で生命保険の控除証明書などを提出し、還付金を受け取った方も多いのではないでしょうか。
事業主さんは、3月までに提出する確定申告書において上記のものについても申告することだと思います。

医療費控除は、会社勤めの方であっても事業主さんであっても確定申告をしないと控除を受けることができないという点で生命保険等の控除とは異なります。
他にも、雑損控除、寄附金控除についても同じことが言えますが、こちらについては別の機会に回します。

まずは、医療費控除の概要について。

医療費控除は所得控除といって、所得金額から差し引くことができる項目です。
所得金額から所得控除を差し引いた金額に税率を乗じた金額が所得税の金額であり、お国に納付すべき金額となります。

計算式 (所得金額※ー所得控除)×税率=納付すべき税額
※所得金額・・・給与所得者における給与所得控除額控除後の金額、事業主さんにおける売上から経費を差し引いた金額。

では、医療費控除の金額はどのように算定されるのでしょう。
これについては、以下の数式で計算されます。

医療費控除の金額=支払った医療費ー10万円(※)
※実際は、総所得金額等の5%と10万円を比較していずれか少ない金額を差し引きます。

多くの方に言えることは、年間で10万円を超える医療費を負担した場合、10万円を超えた部分について控除を受けられるといったところでしょうか。
一人で10万円となるとなかなか到達しづらいハードルかと思いますが、同一生計内のご家族の医療費の合計が10万円を超えていれば控除を受けることができますので、家族の医療費を集計してみるのもいいかもしれませんね。

最後に、医療費控除の対象となる医療費の範囲について、例示しておきます。

対象となるもの
・医師に支払った診療費、治療費
・保険適用外の金歯や入れ歯の費用
・レーシックの費用
・薬局で購入した薬
・未認可の抗がん剤
・被介護者のおむつ代(医師発行のおむつ使用証明書が必要)
・通院のための交通費
・妊娠中の定期検診
・不妊治療
・人工授精のための費用
・特別養護老人ホームの施設サービス費の2分の1の金額

対象とならないもの
・健康診断や人間ドックの費用(検査の結果、異常が発覚し治療につながった場合は対象となります)
・健康増進のためのビタミン剤
・美容のための歯列矯正
・通院のためのガソリン代

他にもこれはできるの?あれはできないの?といったものがあるかもしれません。
気になることがございましたら、お気軽にお尋ねくださいね。

桑原会計事務所
桑原